農業の構造変化

販売農家数の構成比をみると、年々5.0ha以上の農家の占める割合は増えているものの、3.0ha未満の農家の占める割合は減少する傾向にある。農家が規模を縮小する理由は,「高齢化により労働投入量が減少したため」が４４．５％、「農産物価格や単位面積当たりの収益が低いなど、農業経営の環境が悪かったため」が４３．５％で次いでいる。
 

　経営規模を拡大する理由として「農地等を引き受けてほしいという他者からの依頼を受けたため」が最も高く７３．５％となっている。次いで「拡大する農地が隣接していたため」が４７．７％、「品種や機械、栽培技術といった技術面で進捗があり、生産効率が上がったため」が３５．６％である。
 

これらのデータを見る限りでは、「高い栽培技術や生産技術をもち収益性の高い農業」を行っている農業者に土地が集積される傾向にあると思われる。また、高齢化や農業技術の習得に遅れをとった農家は収益性を悪化させ規模を縮小せざる得ない状況にあるといえる。
 

　農業収益性の低さについては、ＧＡＴＴ、ＷＴＯへの加盟以降、国内の農産物市場は開放され安価な輸入農産物との価格競争にさらされており、低コスト化に遅れをとった農家は廃業を余儀なくされる傾向にある。

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